ケアマネ の長田です。
8月の終わりが近づくと、大学3年生の夏を思い出します。
社会福祉士受験資格に必要な実習があり、浜松駅からバスで1時間、山の中にある施設で4週間過ごしました。
そこは、重度の知的障がいがある方が暮らす施設。気持ちを言葉で表せない方も多く、コトバ以外の方法でコミュニケーションを取る事を、たくさんの傷を作りながら学びました。
一緒に実習に行ったSちゃん。実習に行くまではほとんど話した事もなく、たまたま実習先が一緒になった私たち。
4週間同じ部屋で寝泊まりしながら、実習以外の時間もたくさんの話をして、泣いたり笑ったり。
実習も終わりに近づいたある日、Sちゃんが呟きました。
「マッキー（槇原敬之）の曲が聴けなくなるの、寂しいな」
マッキーが大好きな私が持っていった、いくつかのカセットテープ。実習後の夜、2人でよく聴いて過ごしました。
「マッキー好きになってくれて嬉しいから、あげる！」と、最終日にカセットテープを彼女に渡しました。
実習も無事終了し、それぞれの生活に戻りました。1ヶ月後に大学で会った時に、Sちゃんから手紙をもらいました。
「マッキーが聴けなくなるのが寂しいって言ったのは照れ隠しで、本当はまさみちゃんと別れるのが寂しくて。もっと実習が続けばいいのにって思ったんだ」
こんな内容が書いてありました。
そんな気持ちに気付かずに、無理やりカセットテープを渡したりして…。
山口県に住む彼女とは、卒業後は会えていませんが、きっと地元で活躍しているはず。
あの夏休みは、私の原点。
熱い気持ちを思い出します。
