忘れられない紅葉の景色があります。と言っても実際に見たわけではなく、小説の中の景色。

蔵王のゴンドラリフトから見える、色とりどりの山並み。

宮本輝の「錦繍」、初めて読んだのは高校生か大学生の時なので内容はほとんど覚えていませんでした。覚えているのは、男女の手紙のやり取りで物語が進んでいく事、鮮やかな紅葉が広がるイメージ。

先日長瀞のライン下りの最中に、まだ色づいていない景色をみながら「錦繍」を思い出し、改めて読んでみました。

主人公の2人の暗い過去が、手紙のやり取りを通じて段々と前向きな未来へ向いていく。

暗いイメージの中に出てくる鮮やかな色彩描写によって、初めて読んだ時に脳裏に焼きついた蔵王の紅葉（想像ですが）。

読み終えた後の1週間、余韻に浸りながら過ごしています。哲学的な事も考えながら。

いつの間にか主人公より年上になっていた事にも驚きました。人生で多くの経験をしていくことで、本の解釈も変わってくるので楽しいです。

ちょっと見にくいですが、秩父の星空。

いつか紅葉の蔵王に行きたいです。